HaTaキャリ 仕事と子育てを両立させて働きながら、将来のキャリアについて考え始めた女性②

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HaTaキャリ 仕事と子育てを両立させて働きながら、将来のキャリアについて考え始めた女性②

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ8 第2回(2021年6月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ8 第2回(2021年6月配信)

☆シリーズ8 仕事と子育てを両立させて働きながら、将来のキャリアについて考え始めた女性。


芝田英子さん(仮名)41歳 女性 家族:夫43歳(会社員)長男5歳 長女3歳 義母同居 

コールセンター(派遣)で働きながら、今後の生活設計や自らの仕事についても考え始めました。


◇前回のあらすじ

コールセンターのオペレーターとして派遣で働く芝田さん。家事や子育てと仕事の両立をめざして、現在はパート勤務で働いています。そんな中、世間の社会・経済環境の変化で夫の仕事の収入が減ったこともあり、将来の生活設計に必要な収入を得るために転職を考え始めて、キャリアコンサルタントのところに相談に来ました。芝田さんは、今の仕事と家事や子育てとの両立の状況を話す中で、転職を考え始めたもう一つのきっかけについて話し始めました。

(以下前回からの続き CC=キャリアコンサルタント)


CC

「芝田さんは、お友達のお話のどのようなところに刺激を受けられたのですか?」


芝田さん

「ええ、その友達は私よりちょっと年下なんですけど、中学生のお子さんが一人いて、今は介護施設を運営している会社の事務職として働いているんです。訓練終わってすぐにその会社で半年くらい派遣で働いて、その後正社員になったんです。『紹介予定派遣』という制度で、派遣から正社員になったんですよ。その友達も私と同じ氷河期世代で、卒業した時は正社員になれなかったらしく、結婚も早かったから、正社員は初めてだと言っていました。それに、介護業界って大変なイメージがありますけど、彼女の仕事は事務職ですし、人手不足のせいかいきなりいろいろな仕事をさせられて忙しいけど、逆に頼りにされている感じがするし、やりがいがあると言っていました。」

《ご参考》派遣社員の種類…派遣には「一般派遣」と「紹介予定派遣」の二種類があります。

《ご参考》派遣社員の種類…派遣には「一般派遣」と「紹介予定派遣」の二種類があります。

CC

「派遣社員から正社員になって、忙しいけれどやりがいを持って仕事をしている友達の話に刺激を受けたのですね。」


芝田さん

「そうなんです。訓練の時はどちらかと言うとおとなしい感じでしたし、訓練終わってから、今度ご飯でもって言っているうちに世の中が大変になってなかなか会えなかったんですけど、この前二人でランチしたんです。そうしたら、今は会社も仕事も大変な時期だけど介護の利用者さんはいるわけだし、神経を使うことも多いけれど、彼女はそういう大変な状況が面白いくらいのことを言っていました。周りのスタッフの方も利用者さんやご家族を不安にさせないようにと、しんどくてもがんばって、なるべく明るくいつもと変わらないように仕事しているのがすごいなって…。」


CC

「そんなお友達の話を聴いて、芝田さんがどう思われたのか、もう少し聴かせていただけますか?」


芝田さん

「そうですね、私も仕事に何か手ごたえが欲しいと思いました。もちろん今はまだ子供に手がかかるし、家事や子育てと仕事の両立ができる範囲で働こうと思っているんですけど、先ほどお話ししたように、これから子供にお金がかかるとすると、家計の収入を増やして貯えもしなきゃいけないんですけど、同じ働くのだったら私もやりがいとか手ごたえがほしいなと…。」

《ご参考》「働く女性のくらしとお金に関する調査2020」P17 日本FP協会より

《ご参考》「働く女性のくらしとお金に関する調査2020」P17 日本FP協会より

生活の余裕や貯蓄を増やすために、これから(引き続き/新しく・意味以上に)取り組みたいこと[複数回答可]


※変動費の節約⇒食費を減らす、娯楽を我慢など / 固定費の節約⇒保険や携帯料金プラン見直しなど

CC

「お仕事にやりがいや手ごたえが欲しいと思われたのですね。そうすると、芝田さんが大事にしたいとおっしゃっているワークライフバランスやご自分の時間についてはどう思われますか?」


《ご参考》ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)とは 内閣府Webサイト


※仕事と生活の調和がとれた社会とは次のようなものです。

「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」


芝田さん

「そうなんですよ、そこが悩ましいというか、頭の中がぐるぐる回ってしまうんですけど…。以前は、こういうことを考える余裕もなかったんですけど、最近主人が家にいてくれる時間が多くなって、私にちょっと余裕ができたせいか、働く意味とかいろいろ考えるようになったんですよ。」

《ご参考》「お仕事をしている理由は何ですか?」(子どもを持つ女性の「働く」意識調査 図5)

《ご参考》「お仕事をしている理由は何ですか?」(子どもを持つ女性の「働く」意識調査 図5)

【図5】お仕事をしている方に伺います。お仕事をしている理由はなんですか?(複数回答可) 2015年7月 エン・ジャパンより


芝田さん(つづき)

「主人の収入が大体この1年で50万円くらい減りましたから、家計収入を増やすためといっても、その分ただ働く時間を増やすよりは、同じ時間働いてもお給料が良い別の仕事の方がいいと正直なところ思いますし、友達のように派遣から正社員になれるような仕事があればそれもいいなとか。でもそうなると今は難しいから、来年、上の子が小学校に入ってからにしようかとか…。」


CC

「そうすると、芝田さんにとって仕事の手ごたえというのは、お金だけじゃなく,何でしょうか?」


芝田さん

「うーん、やはり自分が役に立っているという実感と言うか、任されて自由にできるというか…。今の仕事、ぜいたくを言う様で申し訳ないんですけど、仕事っていうより作業って感じで。まあ、それはわかっていたことなんですけど、何か物足りないっていうか、友達の話を聴いて、もう少し違う働き方とか、もっとできることがあるんじゃないかと思うようになって…。」


CC

「もう少し違う働き方につながる、何か具体的なお仕事のイメージはありますか?」


芝田さん

「もともと二人目の子ができるまでは百貨店で接客の仕事をしていましたから、接客ですかね。でも、今は接客業は厳しいでしょうから、接客じゃなくても何か人に関わる仕事でしょうか?友達のように事務職でもいいんですけど、何か自分のスキルやアイデアで仕事ができて、それが形になったりするとおもしろいと思います。そう、婦人服売り場のマネージャーをしていた時は、仕事はおもしろかったですね。今思うと辞めなくても良かったかなって思うこともあります…。」


CC

「芝田さん、ここまでのお話を整理すると、芝田さんはワークライフバランスを保ちながら派遣で働いておられるけれど、今の仕事をこのまま続けようか、それとも転職しようかと迷っておられるんですよね。その理由は、ご主人の収入が減った分をご自身が働いて家計収入を増やしたいということと、もう少し手ごたえのある仕事をしたいとも考えておられて、派遣契約の更新を前にどうしたらよいかいろいろとお考えになって、迷っておられるんですね。」


芝田さん

「そうなんです…。今すぐどうするということじゃないんですけど、そろそろ派遣会社の方から次の更新の話がありそうなので。私、子育てや家事も大事ですけど、働くのだったらもっとしっかり働きたいんです。これから、子供たちも大きくなっていくからお金が必要になるということもありますけど、やりがいとかキャリアも考えて働き方を考えた方が良いと思うようになったんです。」

《ご参考》「働く女性のくらしとお金に関する調査2020」P2 日本FP協会より

《ご参考》「働く女性のくらしとお金に関する調査2020」P2 日本FP協会より

働くことについての意識として、【P】と【Q】のどちらに近いか[単一回答]


※家族構成や家計事情によっても異なりますが、40代女性全体で見ると、「働くなら、バリバリ働きたい」と考えている方も3人に一人程度いるようです。


つづく


次回予告

引き続き、キャリアコンサルタントは芝田さんとともに、家計収入を増やすために働く時間の目安や、やりがいや手ごたえを感じる仕事につながるスキル、これからの芝田さんのキャリアについて考えて行きます。また、芝田さんは「仕事と生活の調和」を図りながらも、自分の時間を作って今できることについても気づいて行きます。

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