2020年6月掲載
先日の朝、自転車で通勤していると、すれ違いざまに「おはようございます。」と声をかけられました。
自転車を止めて振り返ると、少し離れた所から、マスクを手でずらした男性に、もう一度「おはようございます!」と、大きな声であいさつをされました。
目と口元が笑っているように見えました。
私は、「あっ、おはようございます。これからお仕事ですか。」と、とっさに返しました。
顔見知りの喫茶店の店長さんでした。
私は爽やかな気持ちとともに、少し恥ずかしい思いがしました。
マスクをしたまま表情を見せずに、声もこもっていたからです。
最近、飲食店では、職場の同僚と思われる人たちが、テーブルを囲んで食事をする光景も増えました。
節度を持って談笑しながらも、お酒が進むと時折明るい笑い声も聞こえます。
店を出るお客さんに、マスクの店員さんが元気な声で、「ありがとうございました!」と礼を言うと、マスクをはずしたままのお客さんが、「ごちそうさま」と満足そうに微笑みます。
こんな光景や何気ないやり取りに、私は忘れかけていた心の温もりを感じました。
今、人と対面で会話をする時は、マスクをすることがエチケットとして習慣化されています。エチケットには礼儀作法という意味があります。
礼儀は相手に敬意を表すもので、礼儀を表す言葉や動作が「あいさつ」です。
そして、人は相手の言葉と表情が一致していないと、戸惑いを感じます。
営業を再開した観光地の商店街では、「マスクをしても笑顔で接客」を心がけるそうです。
これからの季節は、熱中症予防行動として、屋外で人と十分な距離が取れる時はマスクを外すことも勧められています。
職場や地域で、自分から明るい声と表情であいさつをすると、相手との心の距離は縮まるでしょう。
今、就職活動中の方。
マスクをしていても、オンライン面接でも、笑顔のあいさつは、印象をぐんと良くすることでしょう。
キャリアコンサルタント 久保賢司