脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギー
製造過程でも、燃やしても、二酸化炭素を出さない「グリーン水素」を製造する実証設備が松山市に完成し、しゅんこう式が行われました。
松山市にある太陽光発電所の敷地内で行われたしゅんこう式には、四国電力や県の関係者などおよそ30人が出席し、テープカットをして実証設備の完成を祝いました。
水素は、燃やしても二酸化炭素を出さないことから、脱炭素社会の実現に向けた次世代エネルギーとして期待されています。
中でも、太陽光などの再生可能エネルギーで水を電気分解して作った水素は、製造過程でも二酸化炭素を出さないことから「グリーン水素」として注目され四国電力や県などが普及に取り組んでいます。
完成した設備では、太陽光発電所が発電した電力で水素を製造する仕組みになっていて、日照時間が長い晴れの日には、1日あたり燃料電池自動車がおよそ500キロの距離を走れる量の水素を製造できるということです。
将来的には余った電力の活用も期待されています。
この設備で製造された水素は、松山市にある会社のボイラーなどで使われるということです。
四国電力の宮本喜弘社長は「電気事業者として、脱炭素社会に向けて再生可能エネルギーの拡大や低炭素化が求められている。
水素の活用を進めることで、グリーンなエネルギーを使う社会を目指していきたい」と話していました。
配信日:2025年3月21日
今回のこの報道に関して
松山市に完成したグリーン水素の実証設備は、脱炭素社会の実現に向けた重要な取り組みとして、大きな意義を持つものだと感じます。
水素は燃焼時にCO₂を排出しないクリーンなエネルギーとして注目されていますが、製造過程でCO₂を排出しない「グリーン水素」の活用は、まさに次世代エネルギーの中核となる可能性を秘めています。
今回の設備では、太陽光発電の電力を活用して水を電気分解し、水素を製造する仕組みが導入されており、天候条件の良い日には燃料電池自動車で約500キロを走行できる量の水素を1日で生産できるとのこと。
これは、再生可能エネルギーを有効活用し、余剰電力の蓄電・利活用の選択肢としても期待できる取り組みです。
特に注目したいのは、この水素が地域内の企業で実際に利用される点です。
地産地消型のクリーンエネルギー活用は、エネルギー自立や地域経済の活性化にもつながります。
また、企業や自治体が連携して具体的な活用モデルを示すことにより、今後のグリーン水素の普及にも弾みがつくでしょう。
四国電力がこうした脱炭素社会への取り組みに積極的に乗り出していることも心強い動きです。
再生可能エネルギーと水素の融合は、電力の安定供給やCO₂削減といった課題を同時に解決する鍵となります。
今後は、実証実験の成果を広く共有し、より多くの地域や企業がグリーン水素の導入に向けて動き出せるような環境整備が求められます。
愛媛発のグリーンエネルギーの取り組みが、全国に広がる先進モデルとなることを期待しています。