県内で新年度に賃上げ予定の企業8割近くに 民間シンクタンク

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県内で新年度に賃上げ予定の企業8割近くに 民間シンクタンク

ただ、企業の間では賃上げに疲弊感が見え始めている

ただ、企業の間では賃上げに疲弊感が見え始めている


春闘の交渉が本格化する中、県内では新年度に賃上げを予定する企業が8割近くに上るという調査結果を民間のシンクタンクがまとめました。

一方、連合が中小企業で求めている6%以上の賃上げを実施すると回答した企業は1割以下にとどまっています。


民間のシンクタンク、「いよぎん地域経済研究センター」は今月、県内企業およそ2400社を対象に新年度の賃上げについて調査し、238社から回答を得ました。

この中で新年度に正社員の平均月給の引き上げを予定している企業は77.7%に上りました。

これは前の年度に月給を引き上げた企業の割合と比べて8.9ポイント低くなっています。

賃上げを予定する企業のうち69%余りがベースアップを予定しています。

その理由を複数回答で尋ねたところ、「物価高への対応」と「採用難や離職防止」がいずれも76.7%に上ったのに対して「業績の改善」は15.5%にとどまり、シンクタンクは「従業員の生活維持や人手不足対策などが理由で業績を伴わない防衛目的の賃上げも多い」としています。

また、ことしの春闘で連合は、中小企業の労働組合では大手との格差是正を目指して6%以上の要求を掲げていますが、調査で賃上げ率を「6%以上」と回答したのは8.6%にとどまりました。

賃上げ率は、「3%台」が27.6%と最も多く、次いで「2%台」が23.2%などとなっています。

シンクタンクでは、「持続的な賃上げに取り組む企業の多くが負担を感じる一方、賃上げだけでは人材確保には不十分だという結果も出ていて、価格転嫁のほか、多様な働き方などによる魅力向上が必要だ」としています。

いよぎん地域経済研究センターの矢野一成社長は、「企業の間では賃上げに疲弊感が見え始めている。

人材確保には今後、賃上げに加えたプラスアルファの仕組みが必要だがこれには企業の体力がいるのでますます二極化が進むと思っている」と述べました。


配信元:NHK 愛媛 NEWS WEB

配信日:2025年2月28日


今回のこの報道に関して


愛媛県内で新年度に賃上げを予定する企業が8割近くに上るという調査結果は、労働環境の改善や経済の回復を示唆する一方で、企業側の負担や今後の持続性に課題があることも浮き彫りになりました。


調査では、賃上げを予定する企業の69%余りが「ベースアップ」を実施すると回答しています。

その主な理由として、「物価高への対応」と「採用難・離職防止」がともに76.7%を占めたのに対し、「業績の改善」はわずか15.5%にとどまりました。

これは、多くの企業が業績向上を背景とした積極的な賃上げではなく、物価上昇への対応や人材確保のために「防衛的な賃上げ」を行っていることを示しています。


また、連合が求める6%以上の賃上げを予定している企業は8.6%にとどまり、最も多かったのは「3%台」(27.6%)、次いで「2%台」(23.2%)という結果でした。

これは、企業が一定の賃上げには取り組んでいるものの、大幅な給与引き上げには慎重な姿勢を取らざるを得ない実態を示しています。


シンクタンクの分析によると、持続的な賃上げのためには、価格転嫁の推進や、多様な働き方の導入による企業の魅力向上が必要だとされています。

実際に、企業の間では「賃上げ疲れ」が広がっており、人材確保のためには給与面だけでなく、福利厚生の充実や柔軟な労働環境の提供が求められる局面に入っているようです。


矢野一成社長が指摘するように、企業の体力が問われる状況が続く中、今後は賃上げできる企業とそうでない企業の二極化が進む可能性もあります。

持続可能な成長のためには、賃金引き上げとともに、労働環境の改善や企業の競争力強化に向けた取り組みが不可欠です。

今後、県内の企業がどのようにバランスを取りながら人材確保と経営の安定を両立させるのか、その動向に注目したいと思います。

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