去年10月から12月までの運用実績
公的年金の積立金を運用しているGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人の去年10月から12月までの運用実績は、アメリカのトランプ大統領の政策への期待感などによる国内外の株価の上昇を背景に10兆7000億円余りの黒字となりました。
GPIFは7日、去年10月から12月までの運用実績を発表しました。
それによりますと、10兆7032億円の黒字で、収益率は4.31%となりました。
好調な企業決算やアメリカのトランプ大統領の経済政策への期待感などで国内外の株価が上昇したことが主な要因で、資産別の収益は外国株式が5兆5898億円、国内株式が3兆4149億円、外国債券が2兆5397億円の黒字となった一方、国内債券は8412億円の赤字でした。
この結果、2001年度に市場での運用を始めてからの累積の収益額は164兆3463億円の黒字で、収益率は4.4%となり、運用資産の総額は258兆6936億円となりました。
GPIFは「引き続き、長期的な観点から運用を行い、年金財政に必要な積立金を残すためにしっかりと責任を果たしていく」としています
配信日:2025年02月7日
今回のこの報道に関して
公的年金の積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、2023年10~12月期に10兆7,000億円余りの黒字を記録したことは、日本の年金財政にとって明るいニュースです。
特に、米国経済政策への期待感や国内外の株価上昇が寄与し、外国株式・国内株式・外国債券の運用益が大きく伸びたことが背景にあります。
GPIFはこれまで市場の変動を考慮しながら長期的な視点で運用を行っており、累積の収益額は164兆円を超えています。
これは公的年金制度の持続性を支える重要な成果といえます。
しかし、今回の運用実績でも示されたように、国内債券はマイナス収益となっており、資産配分のバランスが今後の課題となるでしょう。
一方で、年金運用が株式市場の動向に大きく左右されることにはリスクも伴います。
市場の好調時には大きな収益を生みますが、逆に株価が下落すれば積立金の減少につながる可能性もあります。
そのため、短期的な収益に一喜一憂せず、長期的な安定運用をどのように維持するかが重要です。
GPIFが「長期的な観点から運用を行う」としているように、今後も安定した資産形成が求められます。
日本の公的年金制度の信頼性を高めるためにも、運用方針の透明性を維持しつつ、リスク管理を徹底していくことが不可欠でしょう。