「103万円の壁」自公の123万円案に国民 “受け入れられない”

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「103万円の壁」自公の123万円案に国民 “受け入れられない”

所得税の控除額を現在の103万円から123万円に引き上げる案を

所得税の控除額を現在の103万円から123万円に引き上げる案を

「年収103万円の壁」の見直しをめぐり、自民・公明両党は国民民主党との税制協議で来年から、所得税の控除額を現在の103万円から123万円に引き上げる案を示しました。

これに対し国民民主党は、案は受け入れられないとしてさらに引き上げるよう求めました。

来年度の税制改正に向けて、自民党の宮沢税制調査会長、公明党の赤羽税制調査会長、国民民主党の古川税制調査会長らは13日夕方、5回目となる税制協議を行いました。

この中で、「年収103万円の壁」の見直しをめぐり、自民・公明両党は、所得税の控除額を現在の103万円から123万円に引き上げる案を示しました。

引き上げの根拠としては、1995年からの食料や光熱費など生活に欠かせない品目の物価上昇をもとに、控除額を20%引き上げるとし、所得税の基礎控除を現在の48万円から58万円に、給与所得控除を現在の55万円から65万円に、それぞれ10万円ずつ引き上げると説明しました。

さらに両党は、来年から実施するとした上で、事務負担に配慮するため、年末調整で対応すると伝えました。

これに対し、国民民主党の古川氏は11日の3党の幹事長合意で控除額について「178万円を目指して来年から引き上げる」としていることを踏まえ、案は受け入れられないという認識を示し、さらに引き上げるよう求めました。

そして持ち帰って党内で具体的な対応を検討することになりました。3党は来週、再度、協議を行うことにしています。


自民 宮沢税調会長「相違あるも誠意見せたつもり」

自民党の宮沢税制調査会長は記者団に対し「国民民主党からは自分たちの考えるレベルとかなり相違があると言われたが、誠意を見せたつもりだ」と述べました。

そして、状況をゴルフに例えて「グリーンに近づいていないという話だが、グリーンがどこにあるか分からないので『グリーンの在りかぐらいちゃんと教えてほしい』と伝えた」と述べました。


国民 古川税調会長「話にならない」

国民民主党の古川税制調査会長は記者団に対し「与党側は基礎控除と給与所得控除の引き上げ額を示し、『可能な限りの誠意を尽くした数字だ』と話していたが、この案では話にならない。

持ち帰って党内に報告し、意見を踏まえてまた来週、再協議になる」と述べました。


自公 税制改正の項目固める

来年度の税制改正をめぐり、自民・公明両党は、防衛財源を確保するための増税の開始時期を含む改正項目の内容を固めました。

「年収103万円の壁」の見直しなど残る主要項目について、国民民主党と協議を進めることにしています。

自民・公明両党は13日それぞれ税制調査会の会合を開き、来年度の税制改正項目の内容を固めました。

このうち、13日両党で合意した防衛財源を確保するための増税の開始時期については、所得税は決定を先送りし、法人税とたばこ税は再来年・2026年の4月からにするとしています。

また、個人型の確定拠出年金=iDeCo(イデコ)について企業年金との掛金の限度額を月額7000円引き上げ、6万2000円にするなどとしています。

これにより、与党としての議論を終え、今後の対応を、両党の税制調査会長に改めて一任しました。


今後、両党は国民民主党との間で「年収103万円の壁」の見直し、ガソリン税の暫定税率の扱い、それにことしの年末に結論を得ることになっている高校生などを扶養する場合の扶養控除を縮小するかどうかといった残る主要項目について協議を進めることにしています。


配信元:NHK NEWS WEB

配信日:2024年12月13日


今回のこの報道に関して


「年収103万円の壁」の見直しをめぐる協議で、自公両党が提示した123万円への引き上げ案に対し、国民民主党が受け入れを拒否したことは、政策間の隔たりを改めて浮き彫りにしました。

物価上昇を考慮した控除額の引き上げは一定の意義を持つものの、国民民主党が主張する178万円には遠く及ばず、さらなる議論が必要です。


この問題は、多くの家庭の生活設計や労働環境に直結する重要課題であり、控除額の水準だけでなく、その実施時期や手続きの円滑化も含めて、具体的な合意形成が急務といえます。

特に、国民民主党が指摘する「話にならない」という認識は、単なる金額の問題を超え、国民の生活向上を真に目指した政策の必要性を強く訴えています。


与党側が見せた「誠意」をさらに深め、国民生活の支援と財政面のバランスを両立させるための柔軟な調整が求められます。

また、税制改正全体における優先順位や課題を明確にしつつ、グリーンに近づくための具体的な道筋を示すべきです。


国民の期待に応える実効性のある政策が実現することを願い、次回協議での進展に期待します。

同時に、今回の協議をきっかけに、将来的な税制全般の見直しがより多角的に進められることを望みます。

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