闇バイト取締り強化へ 「仮装身分捜査」導入を検討 警察庁
犯行グループに接触する新たな捜査手法の導入
闇バイトによる犯罪が相次ぐ中、捜査員が架空の人物の身分証明書を使って、闇バイトに応募し、犯行グループに接触する新たな捜査手法の導入を警察庁が検討していることが、関係者への取材でわかりました。
ことし8月以降、闇バイトによる強盗事件が相次ぎ、首都圏を中心に発生した一連の事件ではこれまでに46人が逮捕されていますが、指示役の検挙や実態解明、それに次の犯行をいかに未然に防ぐかが課題となっています。
SNSなどで行われる闇バイトの募集では、秘匿性の高い通信アプリに誘導されたあと、指示役から「仕事の応募には身分証明書が必要だ」などと提示を求められ、送ってしまうと、個人情報を理由に脅されて犯行に加担するケースが少なくありません。
こうした中、取締りの強化に向けて、捜査員が架空の人物の身分証明書を使って闇バイトに応募し、犯行グループに接触する「仮装身分捜査」と呼ばれる新たな捜査手法の導入を、警察庁が検討していることが関係者への取材でわかりました。
こうした証明書を偽造することは公文書偽造などの罪に問われるおそれがありますが、刑法では「法令または正当な業務による行為は罰しない」と規定されているため現在の法律の範囲内で対応が可能ではないかとしています。
今後は関係省庁と調整し、運用指針の策定など、必要な手続きを行ったうえで、来年にも実施することが検討されています。
配信元:NHK NEWS WEB
配信日:2024年12月6日
今回のこの報道に関して
警察庁が検討している「仮装身分捜査」の導入は、闇バイトによる犯罪抑止に向けた新たな一歩として評価できます。
特に、指示役や犯行グループの実態解明、次の犯行の未然防止に向けた効果が期待されます。
一方で、偽造身分証の使用に関する法的な課題や、手法の運用における慎重な配慮が必要です。
SNSや通信アプリを介した闇バイトの勧誘では、個人情報の悪用が犯罪の温床となっています。
こうした状況を断つためには、今回の捜査手法だけでなく、SNS運営会社や通信アプリ事業者との連携を強化し、犯罪行為を未然に防ぐための仕組みづくりも重要です。
さらに、闇バイトに応募する背景には、経済的な困窮や孤立が影響している場合が少なくありません。
犯罪を防ぐためには、社会全体で若者や中高年層が正規の仕事に就ける環境を整え、支援の手を広げることも欠かせません。
今回の捜査手法が実施に至ることで、闇バイト問題の解決に向けた一つの道筋がつくことを期待するとともに、法的・倫理的課題に十分配慮しながら、効果的な運用が進むことを望みます。
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