在職老齢年金見直し 収入増の人に一定の税負担検討 政府・与党
収入が増える高齢者に対し、所得税の控除額に上限
一定の収入がある働く高齢者の年金を減額する「在職老齢年金制度」を見直す議論が進んでいることを受けて、政府・与党は、収入が増える高齢者に対して、所得税の控除額に上限を設けて一定の税負担を求める案を検討していることが分かりました。
高齢者が働くことで一定の収入を得ると年金が減額される「在職老齢年金制度」について、厚生労働省は高齢者の働く意欲をそがないよう制度を見直す議論を進めています。
現在は、賃金と厚生年金の月額の合計が50万円を超えると年金が減額されますが、その基準を
▽62万円や71万円に引き上げる案と
▽制度そのものを廃止する案が検討されています。
これにあわせて政府・与党は、制度の見直しによって収入が増える高齢者に対して、一定の税負担を求める案を検討していることが分かりました。
現在、給与と年金の両方の収入がある人は、所得税がかかる際にそれぞれ一定額が控除されていますが、見直し案では、控除額の合計に新たに上限を設けることを検討しています。
ただ、在職老齢年金制度を見直す趣旨に沿うように、収入が増加した場合に、手取りがマイナスとならない水準とする案となっています。
政府・与党は今後、控除の上限額など具体的な制度設計を検討することにしています。
配信元:NHK NEWS WEB配信日:2024年12月5日
今回のこの報道に関して
高齢者が働きやすい環境を整えることは、日本社会が抱える少子高齢化問題への一つの解決策です。
しかし、収入増による負担増が働く意欲を再び損ねる懸念もあります。
制度の柔軟な設計や適用基準の見直しを通じて、「手取りがマイナスにならない」という方針を守ることが重要です。
さらに、高齢者の働ける場そのものを増やす取り組みが必要ではないでしょうか。
年齢にとらわれず経験を生かせる職場や、柔軟な労働条件を提供する企業の支援を強化すれば、年金制度の見直し以上に高齢者の社会参画を促進できる可能性があります。
政府・与党は今後、控除の上限額や具体的な税負担の詳細を詰めていく予定ですが、制度の見直しだけでなく、高齢者がより活躍できる社会づくりも並行して進めるべきです。
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