2024年11月掲載
先日東京で開催された研修に参加した時のことです。
私がお会いした中高年の参加者の多くは定年後に備えて、40代後半頃や50代になってから、仕事に関する資格取得やスキルアップを続けているとのことでした。
私の身近なところでも、定年退職後も新たな仕事に就いて働き、仕事のない日はジムで身体を鍛え、夜は時々仲間とお酒を楽しむような活発な方も少なくありません。
厚生労働省の就労に関する意識調査では、およそ6割以上が65歳以上になっても収入のある仕事をしたいと考えています。
その約半数は、「働けるうちはいつまでも働きたい」と年齢で区切りを考えていないようです。
仕事や働き方に対する考え方は人それぞれですし、働かざるを得ないという事情のある方も少なくないのが現実でしょう。
ただ、長く働くために、体力面でも能力面でも現状維持しようとすると、年を重ねるにつれじり貧になっていくのではないでしょうか。
仕事や働き方に関するキャリアの理論の中に、「人生は予期していなかった偶然の出来事が8割」というものがあります。
これは自分のキャリアの計画を立てなくても良いということではありません。
偶然の出来事が起こった時に、それを自分にとってのチャンスに変えて逃さないように心の準備をしておくことも大切という意味です。
そのためには新しいことに興味を持つこと。
できるだけ職場以外の人と関わり仲間づくりをすること。
また、冒険心も大切とこの理論では言われています。
私は、冒険心というと危険をかえりみない印象があるので、中高年からは「挑戦心」が大事と考えた方がしっくりくるように感じます。
挑戦には、準備や目標があるからです。
仕事のスキルアップ、人付き合いの見直し、体力づくり、など。もうこの歳だからと、自分で限界を決めないで、何か小さな新たな挑戦をしてみませんか。
その成果が少しでも仕事に生かせたら、楽しくなることでしょう。
キャリアコンサルタント 福積千佳子