2024年10月掲載
あなたは1か月に何冊の本を読みますか?
今年の文化庁の調査では、電子書籍も含めて1か月に1冊も読まないと答えた大人(16歳以上)の割合が6割余りで過去最高になったそうです。
読書をしている人の中でも、読書量が減った人がおよそ7割とのことです。
このような大人の読書離れの背景には、スマートフォンの利用が増えたことや、仕事が忙しくて時間が取れないことがあるようです。
就職活動についてみると、確かにスマートフォンは便利です。
求人情報や応募先までの道筋、企業の評判なども、限られた時間の中で速く手軽に知ることができます。
仕事についても、必要なスキルやノウハウ、自己啓発に関しても、ネットには様々な画像や動画があふれています。
AIを使うと知りたい情報をすぐに探すことができます。
読書はどうでしょう。
まず、本を手に取って、その中から自分で必要な情報を探す時間がかかります。
必要な情報を書店や図書館に探しに行く手間がかかります。
にもかかわらず、およそ4割の大人は月に1冊以上の読書をするのはなぜでしょう。
本を読むと、知識や情報だけでなく、タイトルから想像しなかった内容や展開、新しい考え方に出会うことがあります。
書店や図書館に行くと、ずらっと並ぶ本の表紙や帯が目に飛び込んできたり、POPやポスターから売れ筋の本に興味をそそられたり、本を探している人の姿に刺激を受けることもあるでしょう。
知りたいことだけでなく知らないことを知るのが読書と言えるのかもしれません。
大人の読書離れに関するニュース番組に出ていた作家さんの話です。
「読書は他人の声を聞くこと。自分から遠い所にあるものを想像したり、他者のことを考えたりすること。」
この秋、何か一冊手に取って、1ページでも目を通してみませんか。
仕事について、雑誌や漫画、絵本などからも知らなかったことを知るきっかけが見つかるかもしれません。
キャリアコンサルタント 久保賢司