2024年10月掲載
可愛い子には旅をさせよ、ということわざがあります。
人は厳しい経験を積むほど成長するので、子供にはあえて辛い思いをさせよという意味です。
旅とは、様々な現実やその体験というふうにとらえることができます。
今はSNSを含めたインターネットの普及により、自分の部屋にいながらいろいろな情報を手に入れ、他人の考え方を知ることができます。
また、様々な‟体験“もできます。
文字通りの旅の動画を見て、自分もそこにも行った気分になったり、ゲームの中で知らない人と話しをしたり遊んだり。
就活や仕事においてもオンライン面接や会議、職場見学の動画やリモートワークなど。
様々な場面があります。
総務省の最新調査では、SNSを含むネットの一日の利用時間は全世帯平均でおよそ4時間です。
仕事のない休日の平均利用時間でみても3時間を超えています。
多くの人にとって一日のこれだけの時間の利用が必要とされていますが、私は、実際にリアルな世界に身を置いて体験してみることもそれ以上に必要なことだと感じます。
ネットの世界での体験は、あくまでも疑似体験ですし、わかった気分になっているだけということもあるからです。
例えば、就活や仕事の悩みの相談も、実際に人に会って話をするのはつらいことかもしれません。ただ、人に話を聴いてもらうだけで気持ちが楽になることも多いのです。
職場見学や面接に実際に行ってみると、ショックを受けることもあるかもしれませんが、リアルな雰囲気や現実が感じられることもよくあります。
職場のリモートワークやオンライン会議も、近年は減少傾向にあるようです。
緊張感や嫌な人と顔を合わせることがあっても、いろいろな意見交換がしやすくて、一体感を感じられるメリットもあるからです。
ネットの世界を旅するのもよいのですが、勇気を出してリアルな体験をすることや、一人でも動いてみることも大切にしたいものです。それも視野を広げることになるでしょう。
キャリアコンサルタント 福積千佳子