2024年7月掲載
ある中小企業の採用担当者の話です。
どんな人を採用するのかと尋ねたところ、面接の時の「勘」という答えが返ってきました。
就職活動の相談では、面接が苦手と言う人は少なくありません。
緊張して質問にうまく答えられないとか、頭の中が真っ白になってしまうと言う人もいます。
せっかく面接に行っているのにもったいないと思います。
面接の場では、多かれ少なかれ誰しも緊張するものでしょう。
ただ、応募者の肩に力が入り過ぎていると、面接官も硬くなってしまいがちです。
そうなると、面接の雰囲気はぎこちなくなって、お互いに望ましい時間にはならないことでしょう。
では、どうすれば良いのでしょう。
やはり、準備をしっかりとすることです。
その中でも、自己PRと志望理由がしっかりと考えられているかということが大事です。
大まかに言うと、自己PRは「求めている職種の仕事ができそうか」という面を見て、志望理由は「仕事をやる気があって続きそうか」ということを判断するものと言えます。
また、面接では話し方が上手かどうかはあまり重視していません。
一生懸命に自分の思いや考えを伝えようとする姿勢の方が大切なのです。
模範解答はないし、完璧さも求められていないのです。
採用担当者に、「勘」について聞いてみました。
勘とはこういうことでした。
応募書類に書かれてある内容と面接の時の印象が大体合っているか。
会社の中で成長して活躍するイメージが持てるか、ということでした。
もちろん勘だけで採用を決めるわけではないけれど、緊張のせいでコミュニケーションが取れないと、勘も生まれてこないとのことでした。
大事な面接の準備に向き合えない人が、入社してからまじめに仕事に向き合えるとは思えないとも、その担当者は話しました。
面接の本番では肩の力を抜いても、面接準備の手は抜かないように。
面接官に向き合う前に、自分自身と向き合ってみましょう。
キャリアコンサルタント 久保賢司