2024年2月掲載
「大丈夫?」どうしたらいいかわからなくて悩んでいる時に、そう聞かれることが嫌になったことはありませんか。
家族や友人が心配して声をかけてくれているのに、責められているように感じていませんか。
厚生労働省の調査によると、令和5年3月の大学等(大学、短期大学、高等専門学校)卒業者の就職率は97.5%でした。
そうなると、就職をしないまま卒業する人の中には、自分だけ取り残されたような感じになっている人もいるのではないでしょうか。
資格受験や起業などの目的がなければ、周囲から心配されるのが重荷に感じることもあるでしょう。
同じく厚生労働省の調査では、令和5年3月末時点で、大学卒業して就職した新入社員のうちおよそ3割が3年以内に辞めています。
辞めた理由の中には、「仕事が合わなかったから」という理由が毎年上位にあります。
就職はしたものの、現実は思っていたような仕事ではなかったということでしょうか。
3月になると、企業説明会など大学生の就職活動が始まります。
一方、卒業後就職しない人や仕事を辞めた人にとってこれからの時期は、そのような動きを横目に自分のやりたい仕事を探すチャンスではないでしょうか。
学生時代はほぼ横並びで進級や就職をしても、社会に出ると仕事の成長のペースもキャリアも人それぞれです。
よって、就職しなかったことや離職したことよりも、その後何をしていたかということの方が大事なのです。
やりたい仕事に再チャレンジすることや、仕事を知るためにアルバイトをやってみることなどもキャリアの一部になるのです。
これからの仕事や人生で、数年間の差など問題ではありません。
そもそも、キャリアは他人と比べることも競うこともなく、自分のペースで歩んでよいものです。
「今はこれをする。今はこれでいい。」という目的や自覚が持てれば、周囲から心配されても迷わず「大丈夫」と言えることでしょう。
キャリアコンサルタント 久保賢司