2023年4月掲載
キャリアコンサルタントの福積千佳子です。
この春就職や転職をする方は、期待と不安が入り交ざった気持ちでいることでしょう。
先日、ある高校の進路指導の先生からこんな話を聞きました。
「思ってもみなかった子が案外すぐに仕事をやめている」と。
勉強やスポーツがよくできて、自信もあって明るくて、就職先でも可愛がられるだろうと思っていた生徒が早く辞めてしまうと言うのです。
最近の国の調査では、高校卒業後に就職して3年以内に仕事を辞める人の割合は約4割となっています。
大学卒業なら約3割です。
辞める理由は様々ですが、主な理由の中に「仕事が自分に合わなかった」というものがあります。
詳しく見ると、「希望する仕事内容でなかった」とか、「雑用や地味な仕事ばかりでやりがいが感じられない」とのことです。
新しい職場に期待をしたり、仕事にやりがいを求めたりするのは自然なことです。
ただ、やりがいのある仕事をするには。やりたくないと思う仕事もたくさんして、幅広く仕事の基礎を覚える努力が必要でしょう。
私の知人にこんな若者がいます。
仕事選びの条件はただ一つ。
休みがきちんと取れること。
職場にあまり期待せず、やりがいなど感じられなくても、言われた仕事を淡々と続けているのです。
辞める人も多い仕事を長く続けていることで、会社から段々と頼りにされるようになり、いつの間にか仕事のスキルも上がっていたのです。
そんな彼は、休日に趣味が楽しめたらそれで満足と言うのです。
仕事に対する理想や自信が大きい人ほど、現実とのギャップに戸惑うことも多くなるのかもしれません。
もちろん、不満を抱えたまま我慢して働くより、早く辞めて転職する方が良い場合もあるでしょう。
自分に合った仕事もやりがいも、現実の仕事を続けて行く中で見えてくることもあるのです。
仕事が合わないと思ったら、まず自分の仕事に対する姿勢を振り返ってみましょう。
キャリアコンサルタント 福積千佳子