2022年12月掲載
就職活動で縁故(えんこ)を使うことを皆さんはどう思いますか?
縁故採用は昔からある採用方法の一つですが、あまり良く思わない方が多いのではないでしょうか。
自分は実力で勝負するから関係ないとか、不公平だとか。
就職に役立ちそうな縁故があっても、仕事内容や待遇が自分に合わなかった場合に断りにくいから縁故は使いたくないと考える人もいるでしょう。
一方、企業側からみると縁故採用にはメリットもあるようです。
それは、あらかじめ応募者の適性や人柄などが紹介者から伝えられていると、時間や労力の面で効率よく選考できるということです。
もちろん、応募者の適性や能力が求められるレベルに達していないのに採用すると、企業だけでなく採用される方にも良いことはありません。
厚生労働省の転職や再就職をした人が、どのような方法でその就職先を探したかという「雇用動向調査」(2020年)によると、4人に一人が縁故となっています。
縁故には、「人と人との特別なかかわりあいやつながり」という意味があります。
就職活動で縁故を使うということは、仕事や就職先を紹介してくれる人を探して、その人を頼ってみるということです。
人とのつながりを活かすことと考えると、就職活動だけでなく将来仕事をするうえでも、縁故が有利になることもあるでしょう。
ある就職活動中の男性が、こう話してくれました。
「結局もともといた業界の知り合いから声をかけてもらって、仕事が決まりました。経験も生かせるし、ありがたい話です。」
就職活動中の方、これから始める方。
この年末年始に、しばらく疎遠になっていた人にも会ってみてはどうでしょう。
友人、知人、先輩、前の職場の同僚など。
困った時こそ真剣に人を頼ってみると、思わぬ所から縁が見つかるかもしれません。
縁が見つかったら、それをどう活かすかは、あなた次第です。
キャリアコンサルタント 久保賢司