客足が戻ってきた街中のなじみの飲食店。

３０席ほどの認証店は、週末にはほぼ満席になります。

客同士の会話。

注文をする声、取る声。

店員の挨拶。

賑わいと活気があります。

客足が戻るにつれて、アルバイト学生も増えました。

ところが、見慣れた学生の姿がありません。

店主に尋ねてみると、大学４回生になって就活が忙しい様子とのことでした。

店主はこんな話をしてくれました。

「アルバイトの募集を出したら思った以上に応募が多くて、久しぶりに面接をして選んだのです。」

「採用した子はどういうところを見て選んだのですか？」店主に聞いてみました。

「まず、店に入ってきた時の第一印象です。挨拶や清潔感も大事ですが、戸の開け方、締め方を見ます。座る時の動作も。商売柄物の扱いが丁寧かどうか見ますね。」さらに店主の話が続きます。

「面接で『何でうちの店なの？』と、必ず聞きます。『学校から近いので。』など、正直な感じがする子がいいです。」と。

店主との会話を終えて店内を見渡すと、てきぱきと料理を運び、注文を取り、飲み物を作るアルバイト学生の姿が見えました。

手が空くと周りを見て、空いた皿を片付け、洗っています。

店主から指示が飛ぶと、返事をしてすぐ動きます。

アルバイトリーダを中心に、声かけあって連携プレーもできています。

この店主の話には、新卒学生の採用面接に限らず、中途採用の面接でも共通点が多くあります。

就活中の方は、想定問答の準備をすることも必要ですが、面接官が何を見ているか知っておくことも大事です。

あまり難しく考えなくても、相手のことを考えてその場に適した話し方や動作ができているか、普段から意識しておくと良いでしょう。

店主はこうも言いました。

「こちらが何か質問した時に返事ができる子、アドバイスを素直に聞く子は仕事を覚えるのが早いです。」

面接官は細かな立ち居振る舞いからも、その人の本質を見ようとしているのでしょう。

キャリアコンサルタント　久保賢司