2021年12月掲載
「今年もお世話になりました。」こんな挨拶を耳にする時期になりました。
毎年この時期になると、私は新しいスケジュール帳に予定を書き込みながら、一年を振り返ります。
私の今年のスケジュール帳には、予定が線で消されたり、書き換えられたりしているところが多くあります。
特に秋口の頃までは。
世の中の状況の影響も受けて、予定変更や中止が少なくありませんでした。
私の仕事は言わば自営業ですから、仕事がなければその分の収入はありません。
正直なところ、不安やいら立ちを感じたこともありました。
一方、予定通りに続けてこられた仕事もありました。
延期や中断した後に再開した仕事もありました。
そのような仕事を振り返ってみると、そこには状況判断に迷いながらも、できることを考えてやろうとした人の姿が思い出されます。
また、自分の仕事が多少なりとも人の支えになっていたことや、その自分が支えられていたことにも気づきました。
この一年も自分や家族のくらしのためにあたりまえに働き続けた人。
今、就職活動をしている人。
中には、思いがけない離職によって先の見通しが立たず、焦りや不安を感じている人もいることでしょう。
そのような思いがけない状況にいる人は、人生の一つの転機の中にいると考えられます。
そんな時に、過去を振り返っても仕方がない、今は先のことを考える方が大事だという方もいるでしょう。
ただ、転機の時にこそこれまでを振り返ってみると、頭の中や気持ちが整理できることもあります。
反省点ばかりでなく、ささやかでもできたと思えることを見つけて、できれば家族や親しい人に話してみましょう。
一年の計となる元旦には、新たな目標や課題も見えてくるかもしれません。
その前に、この一年がんばった自分に、お世話になった周りの人に、「おつかれさまでした。」と、ねぎらいの言葉を忘れずに。
キャリアコンサルタント 久保賢司